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「道迷い」シンポジウム 2015年3月14日 


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「道迷い」シンポジウム
2015年3月14日 関西大学 高槻キャンパス

山岳遭難事故の4割を占める「道迷い」遭難。

警察 消防などが把握する 「道迷い」だけでなく、自力下山し 通報 報告のない 「道間違い」、「下山遅延」など 含めると なにかしら 道を誤り 道に迷うのは かなり あるのではと 想像します。

この「道迷い」を いったい どの ようにすれば 減らしていけるのか。

従来の「道迷い」に関する 常識には 本当に誤りは ないのか ここで改めて検証するなどして、 様々な角度から 総合的に どう取り組んでいくべきなのか 考えていこう というのが 今回のシンポジウムの趣旨。

今回の「道迷い」シンポジウムは 大きな会場に 遠路 各地から 多く 参加者を集めて開かれ 普段から 道迷いを研究されている研究者のかたや、日頃 遭難対策に、ご尽力されている、登山団体の方々、 定期雑誌の道迷い関係の著作者や 登山界 各分野で みなさま ご活躍されている 方々が 様々な 角度から ご登壇なされ 積極的に ご発言 ディスカッションが盛り上がるなど しました。

今回の シンポジウムは たいへん充実した 有意義なもので とても勉強になり おおくの示唆を与えてくれました。

シンポジウムを開催運営にあたられ 登壇なされました皆様 本当に ありがとうございました。

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西内 博さま (日本山岳協会 遭難対策委員長)
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「道迷い」は 山岳事故統計でも原因トップだが 登山界では 遭難対策の対象として 本格的に とりあげることは いままで なかった。

それは 道迷いは 多様な内容を含み 自力で降りてくればそれでよし 道迷いは恥ずかしいこと 道迷いは大したことない とかいって なかなか本格的対策として とりあげ にくかった。

新聞のコメントなどでも 単純に「言語道断」とかいって 片付けてしまってきた。

そうしたなかで 道迷い遭難対策の 総合的なシンポジウムとして 今回こうして シンポジウムを開催することができた。

今回は 分析 事例 対策 などの一連のストリーがまだ出来上がっていない 状態なので 今後 いろいろな 諸問題を さらに掘り下げていき、「減遭難」のという 目的地に向かっての 本日のシンポを 最初の一歩として いきたい。

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青山 千影さま (関西大)
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世界的にみて 日本の特徴は 高齢化 道迷いが突出

諸外国を見れば
事故のなかで道迷いが10パーセントなのに
日本では事故原因の約半分が 「道迷い」 突出している。

「道迷い」 対処法として

従来ややもすると 経験論が幅を利かし
迷ったら こうせよ あーせよ とかあるが

 従来のベテランの経験論が本当に妥当なのか

そうした経験論が正しいのか検証してみる必要がある。

十分に検証 議論し 事故原因対策を 考えていきたい

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川嶋高志さま (勤労者山岳連盟)
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2004年~2014年の11年間で
勤労者山岳連盟 傘下では 計3355名の事故報告。

そのうち 「道迷い」が主原因 51名。

「道迷い」に起因があり その後 転落・転倒などに至ったと 判断されるものまで含めると 61名 2パーセントの報告。

組織登山者だけに 読図講習 訓練 しっかりした装備 等などによって「道迷い」自体の割合は 少ない。
が 道迷いで死亡 行方不明 6名 (女性5名 男性1名)発生している。

組織登山者だから 道に迷わないということではなく、レベルが上っていけば、 雪山 沢 薮 岩などに はいって、当然 危険が ふえてくる。

山岳会に入っているからといって 「自分は できる」と山を甘く見てはいけない。

以下 川嶋氏の個人的見解として

日本の山は 地形 植生 気象 変化にとんでいて複雑。

登山道・指導標・目印など 種類多く 統一されていなく、知識 技術 経験 体力 装備など 必要である。

組織登山者だから 道迷いしないと いうことでない。

レベルがあがっていけば 当然 雪山 沢 などでは 道迷いの危険は増えてくる。 

安全登山に必要なのは 

【想像力】
これから起きる 出来事、変化する 状況を常に予測する想像力

【応用力】
起きた出来事、変化した状況に的確に対応する応用力

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村越 真さま (静岡大学)
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「変わる 道迷い 遭難統計の分析」

■中高年 道迷い遭難が 増えているというが 本当なのか?

警察庁発表の数字の元になる 元資料を直接集めてみて 詳細に分析してみた。

山岳遭難統計の中には 登山 山菜採り 山岳信仰なども含まれる。

■年代別には

男性 若い年代では 道迷いが多い
女性でも 若い年代に 道迷いが多い

高齢者 転倒が多い

■高山より 里山で 道迷いが多い

夏は高山で 転倒が多く
春秋 里山で道迷いが多い

高山では 転倒が多い

■時間帯 午後が多い

■態様

道迷いは無傷 無事救出(95パーセント)となる場合が多い


■若年層にも

いろいろな要因があるあるの

中高年だけでなく

道迷いが 若年層にも広がってきている。

夏以外 低山で発生数が多い

多様な要因 多様な態様

全体 損害は少ないが 多様な ダメージ 滑落 転倒 転落 行方不明 につながる こともある 

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野村 仁 さま 山岳ライター(日本山岳文化学会)
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■山岳遭難統計の 転落 転倒 疲労 など のなかにも 「道迷い」が 遭難の きっかけになっている場合がある。

■長野県 高山型 転落・滑落 転倒 病気 疲労
  代表的な山 代表的なコースなど 整備された道をいくので
 道迷いは そんなにおおくない
 
■兵庫県 たとえば六甲山 道迷いが多い

■首都圏 日帰り圏 奥多摩 奥武蔵 中央線沿線 など 低山で 散発的に多発している。

2013年 新聞などでは 丹沢 道迷い遭難 に 一件もなくても 直接あたって 調べてみると 21-22件もあるなど 道迷い遭難を 1つずつ プロットし 直接 分析した。

■2013-2009年 5年間の 丹沢山系で道迷いを 1つずつ プロットし 分析して 丹沢道迷い遭難の全貌がみえてくた。

■参考図書
『もう道に迷わない』野村 仁 著 2015年3月5日初版 ヤマケイ新書 山と溪谷社

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第二部 
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道迷い遭難者による報告
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■遭難事例

「道迷い遭難」なのか 事故なのか、単なる「道間違い」であるのか さらには 自力下山で 「下山遅延」なのか それぞれ微妙な ところもあるのだが 実際に 道迷いを体験された 当事者が 道迷い 道間違い にいたった 要因なども 詳細に分析報告されていた。

■山行中の問題行動も 多くあるが それらの下地になる いろいろな要素を分析。

■問題の背景的な要因 

山行準備計画段階での 準備不足 装備不備などとか 的確な天候の把握不足など 山行へ出発した 時点で すでに 遭難にいたる問題をかかえたまま 山中に はいってしまった。

■山中での変化、変化への対応

問題を背負っていいる上に 所与の条件が変化して 山中で 思いがけない所要時間の消費 体力消耗 視界不良・天候悪化など になってしまった。

■問題行動

問題行動の起こる きっかけは 何か?

その時の対応がどうだったのか。

不適切な対応が 連続し それが 更に 深みに入ってしまうことにつながった。

■山中で 当初の計画から 与えられた 条件の変化に どうして 上手く 対応できなかったのか。

■遭難事例 とその分析

青山教授の遭難事例の分析では 遭難者からの 聞き取りが しっかりしていて 見事にルートを再現し 分析していた。

一つ一つの事例で その迷い箇所など さらに背景的要因含め 詳細な分析を 緻密に きちんと取り組んでいくのは とても 気の遠くなる 地道な過程を踏まえなければならず 道迷い分析も 根気のいる迷路を解き明かす ジグゾーパズルの謎解きのようだ。

が こうした地道な取り組みが 遭難対策の重要な ポイントとなり、更に踏み込んで 精神的に なにか 焦りとか 心理的な深層のところが解明されていきたいところだ。

■3つの道迷い事例発表

事例 (1) I山系 
事例 (2) H山系 
事例 (3) S山系 


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第三部

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関連要因から見た道迷い発生のメカニズム
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■道迷いリスク対応能力試験 青山千影さま(関西大学)

空間認知能力 読図力の測定

■登山者の読図・ナヴィゲーションスキルの実態 村越 真さま (静岡大学)

読図得点は低いが自己評価の高い登山者は要注意

■道迷い登山者の行動分析調査方法の開発と行動特性 青山千影さま(関西大学)

ヤブの中に少し入っただけで 復帰が難しくなる その時の 行動特性。

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第四部
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対策(救助法、減遭難活動、ナビゲーション指導法)
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■地図読み講習主催 松尾健一さま(Links.NATURE)

地図読みの講習会を実践形式で実施してきた。計15回 155名参加。

初級レベルがほとんど さらに反復練習のため
講習会 練習会を 定期的に 開催して
常設オリエンテーリングを紹介し
大会の案内を行っている。

こうした 活動を地道に続けることが大切。

■那須山岳救助隊の道迷い遭難防止への取り組み 日山協 西内 博さま 遭難対策委員長

ロープウェイ
入山者の多さ 
登山道の整備
標識の整備 位置情報番号
登山届
強風
登山カードポスト設置
山岳パトロール

■鈴鹿山系での事例、捜索の流れ、APRS網の整備と活用  三重岳連

APRS (Automatic Packet Reporting System)
アマチュア無線とGPS位置情報を活用。グーグルマップ上で位置情報公開。

■山のお守り=ヒトココ(ヤマモリ) オーセンティックジャパン株式会社

川嶋高志さま (勤労者山岳連盟)
「労山では 100台購入し 講習会では わずか20グラムなので名札代わりに 受講生に持たせて 受講生の位置情報を把握できるようにするなど すでに活用している。
 子機を ザックに つけて、 もし ヘルメットを被るのなら ヘルメットの中に子機をいれ、 本体を胸につけるなど できるだけ 高い位置で 保持したほがいい。」

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最後に 討論など

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登壇者 はじめ フロアから 議論すべき点として 多くの論議があがり
所定の時間 めいっぱいまで 活発なディスカッションがあった。

以下 話題に あがった点

■登山道の環境整備 どこまで すべきか?

■やはり 基本的 には 登山道の環境整備は ちゃんとすべきだ

■行政機関では 登山道など 下手に整備すれば あらぬ責任をとらされたり 訴訟等のリスクを背負ったり あまり手をつけたくないのが本音。

■登山技術が必要なルートは 登山者のみとすべきだが
一般登山者が入れるところは それなりに 登山道の環境整備をすべきだ

■長野県で登山道 グレーディングを行っている。
登山道整備も 登山者の技量 登山道のグレードに応じた 整備をすべきだ。

■地図の読み方だけでは 道迷いをふせぐことはできない
一般登山者が 地図をイメージ化するのを手助けする方策を考えるべき

■地図をイメージ化する パンフレット 写真などを活用。

■一般登山者が 登る「登山道」と 雪山 沢 薮など 本来「道」のないところを通る「登山」とは 明確に峻別しなくてはいけないのでは?

その場合 一般登山者対応の「一般登山道」は 環境整備すべきだ。

■ニュージーランドでは難易度の高い「登山道」には「ここからさきは登山に適した装備とスキルが必要であり、読図とルートファインディングが必要である」との標識がある。

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シンポ 村越 さま まとめ

村越 真さま (静岡大学)
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これからの課題

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■自助 
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自分で 何をするか
ナヴィゲーションのスキルを身につけるだけでなく
山の総合力 リスクの認識をきちんとする

自分の力を知る

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■共助
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学習機会の提供 
組織 団体
捜索 救助

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■公助
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地方自治体 国の役割
環境整備 情報の提供 研究

救助方法の検討
責任 義務 の問題 登山者と コンセンサス必要
全部 環境整備すると 登山の楽しみをなくしてしまう

ここまでは 環境を整備し ここからは ご自身の 判断で 自己責任

ニュージーランドの看板

ニュージーランドでは難易度の高い「登山道」には「ここからさきは登山に適した装備とスキルが必要であり、読図とルートファインディングが必要である」との標識がある。

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「道迷い」を研究するための ふたつの アプローチ
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■疫学的アプローチ
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統計分析
全体の把握
関連する要因の検討

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■臨床学的アプローチ
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プロセスの理解
対応能力の課題
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